たまごを知って、おいしく食べよう!

      
●黄身が入っていない玉子!?
●1個のたまごの中で黄身と白身はどちらが多く入っている?
●玉子を冷蔵庫などで保存するときは、とがった方が下なの?
●鶏は生まれて何日位してから玉子を生むの?
●玉子は何でたまご形?
●卵の黄身にシワが入っていることがあるけれど、なぜ?
●殻を割らずに鮮度を見分ける方法は?
●たまごの中にある、白いひも状のものは何?
●赤玉の白身に、ホコリのようなものが時々入っているけれど、なに?
●消化が一番良いのは半熟卵?
●たまごを保存するには常温と冷蔵のどちらがいい?
●赤玉と白玉で栄養価が違う?
●黄身の色が濃いほうが、栄養価が高い?
●有精卵の方が、無精卵より栄養価が高い?
●殻の厚さと強さ
●ゆでたまごの黄身の表面が、黒っぽくなることがあるのはなぜ?
●ゆでたまごの殻がむきにくいのはなぜ?
●二黄卵はなぜできる?
●たまごの賞味期限表示とは?
●無選別のたまごや無洗卵のたまごって安心?
●GPセンターってなに?
●たまごにはコレステロールが多いと言いますが、本当?



黄身が入っていない玉子!?
 黄身が入っていない玉子がごく稀にあるのをご存じでしょうか?これは鶏の産卵リズムやホルモンの分泌機能が不安定であることが考えられ、産卵サイクルが安定していない時期に、ごくわずかな確率でこのような現象が現れます。この現象は現段階では鶏(自然)の生理的(摂理)な現象としか答えが無く、未だ確定的な答えがないと言われています。また、この現象とは逆に時々市場にも出回ります、二黄卵も同様に、鶏の産卵サイクルが安定していない時期に比較的産卵されます。しかし、このような鶏卵を産卵する鶏の体に異常等があるわけではなく、その鶏卵を食しても心配は無いと言われています。
1個のたまごの中で黄身と白身はどちらが多く入っている?
 たまごによって誤差はありますが、卵の重さは白身57%・黄身32%・殻11%にだいたい分かれます。
玉子を冷蔵庫などで保存するときは、とがった方が下なの?
 通常売られている卵はとがった方(鋭端)を下にしてパックに入っています。
 理由は2つあり、1つは丸い方(鈍端)よりも鋭端の方が強度が強いこと、もう1つ は、鈍端には気室(空気が入っている)があり、こちらを下にすると黄身と空気が触 れやすくなって、雑菌が入り込む可能性があることの2点です。
 ということで、もし横だったら卵が非常に割れやすく、ばい菌に汚させるかもしれな いからです。
鶏は生まれて何日位してから玉子を生むの?
 孵化後通常140日前後で玉子を産み始めます。このときはだいたい小さな玉子を生みます。その後180日前後で産卵率はピークに達します。そして産卵率が徐々に低下し、孵化後700日前後で淘汰します。
玉子は何でたまご形?
 玉子は実にいい形をしています。これは親鳥が玉子を温めるときに遠くへ転がってしまわないようになっているといわれています。
 また力学的にも優れていて、通常の力では手の中で握りしめて割ることが出来ません。割ることが出来る人は、よほど力のある人です。
卵の黄身にシワが入っていることがあるけれど、なぜ?
 時々、 黄身にシワが入っていることがありますが、これは保管中に殻の表面にある小さい穴から水分が蒸発するためです。 先に卵白の水分が蒸発してその後、卵黄の水分が卵白に移動します。このため、、表面にシワができます。
殻を割らずに鮮度を見分ける方法は?
 殻を割らないで生のまま玉子を10%の食塩水に入れます。底にしずむのは新しいたまごで、立ったり浮いたりするのは古いたまごです。この理由は、たまごは日が経つにつれて徐々に玉子の中に含まれている炭酸ガスが殻の気孔から抜けて無くなっていくからです。
たまごの中にある、白いひも状のものは何?
 たまごを割ると、白いひも状のものが付いています。これは「カラザ」というもので、黄身をたまごの真ん中に保つ役目をしています。 つまり、ひも状の「カラザ」は、ハンモックのひもになる訳です。 中には「カラザ」を取り除いて食べる人もいますが成分はタンパク質ですので、何も問題ありません。
赤玉の白身に、ホコリのようなものが時々入っているけれど、なに?
 これはミートスポットと呼ばれる色素で、赤玉鶏特有の生理現象です。
もちろん、品質がおかしいというわけではなくお召し上がりの際には、何の影響もありませんので、安心してお召し上がりください。
消化が一番良いのは半熟卵?
 黄身の消化率は加熱等によって変化することはありませんが、白身の中にはトリプシンという、消化酵素の働きを抑える物質があり、加熱の程度によってトリプシンの働きに違いがあることから、半熟にするのが最も消化がよく、つぎに生、そして固ゆでといわれています。
しかし、生でも加熱したものでも最終的に消化率は100%に近く、お好みに応じて自由に調理してよいと思います。
たまごを保存するには常温と冷蔵のどちらがいい?
 たまごの保存方法として一部で常温が良いといわれることがありますが、もっとも鮮度を保つには冷蔵(10℃以下)保存が一番効果的で良い方法です。冬場は夏場と比較しても、常温でも2倍ほどは鮮度を長く維持します。
 このことからも、たまごの鮮度は採卵日(産卵日)などに左右されるのではなく、保存の方法によって変わってきます。また、スーパーなどでたまごをお買いになるときはパックの中に保存方法がラベル等に書いてありますので、お読みください。
赤玉と白玉で栄養価が違う?
 たまごの殻が褐色をした赤玉と呼ばれるたまごがありますが、白いたまごとの違いは、実は鶏の種類の差によるものです。一般的に、羽の色が褐色の鶏が赤玉を産み、羽の色が白い鶏が白玉を産みます。
 但し、これには例外もあり、実際には鶏種(ニワトリの種類)により卵の殻の色が決まります。一般に赤玉のほうが値段も高いようですが、栄養的な差はありません。殻の色にしろ、黄身の色にしろ、色の差は栄養の差とは無関係です。
 値段の違いについては、一般的に赤玉を生む鶏の方が体が大きく、エサを食べる量が多いうえに、産卵量が少ないということから生産率の違いによるもののほか、希少性・嗜好性が影響しています。
黄身の色が濃いほうが、栄養価が高い?
  買った卵によって、黄身の色がずいぶん違うことがあります。どちらかといえば、山吹色に近い濃い目の卵黄に人気があり、薄い色の卵黄は栄養分が少ないと誤解している人も少なくありません。この色の濃淡は、とうもろこしや乾燥アルファルファなどの鶏のエサ(飼料)の割合によって異なってくるものです。卵黄の色の濃淡の違いは、直接栄養価には関係ありません。
 黄身の色を濃くするエサとしてよく利用されているのは、パプリカ(ピーマンやトウガラシの仲間)、黄色とうもろこし、アルファルファ(マメ科の牧草)などがあります。
有精卵の方が、無精卵より栄養価が高い?
 一般に流通しているたまごは無精卵です。ヒナをかえす目的のある場合は受精させ有精卵とします。有精卵の方が栄養があるということはなく、有精卵は20℃以上で細胞分裂が始まり、品質の劣化が始まります。有精卵を食用として求める価値はあまりありません。
殻の厚さと強さ。
 殻の強さは厚さに大きく影響します。大きな卵に比べ小さな卵の方が強い殻を持っています。最近の卵の厚さ、強さが悪くなっているということはありません。昔に比べ殻が弱くなっているというイメージがあるのは、鶏種の改良により卵が大きくなってきているためと考えられています。
ゆでたまごの黄身の表面が、黒っぽくなることがあるのはなぜ?
 たまごを高温でゆでたり、ゆですぎると卵白のタンパク質中のイオウを含むアミノ酸が熱によって分解され、硫化水素という気体となります。これが卵黄中の鉄分と結合して、黄味と白身の間に沈着して黒っぽくなります。そして、卵黄中のカロチノイド色素と混合して暗緑色に着色します。この変色は、高い温度で長い時間加熱するほど発生しやすくなります。
ゆでたまごの殻がむきにくいのはなぜ?
 産みたてのたまごは卵白に炭酸ガスが多く含まれるためです。この炭酸ガスが加熱によって急激に膨張し、卵殻膜(たまごの薄皮)を殻に押しつけるため殻がむけにくくなりす。
 うまくむく秘訣は、ゆで過ぎぬこと。ゆでたらすぐに冷水に入れること。ひびを入れて鈍端(尖ってない方)の方からむくことです。
二黄卵はなぜできる?
 二黄卵は、卵黄が2つ入っている卵のことをいいます。これは、2個の成熟した卵黄が同時に排出されるか、先に排出された卵黄が鶏の卵管上部にある時に排卵され、これら複数の卵黄が輸卵管を通過するとき、卵白分泌部から分泌された卵白に包まれ、そのまま産卵されたものです。
 二黄卵の大部分は、産卵器官が成熟していない若い鶏が産卵することが多く、原因としては産卵初期のため産卵リズムやホルモンの分泌機能が不安定であることが考えられ、産卵開始後2週間位から2ケ月程度の期間に多く見られますが、徐々に産卵リズムやホルモンの分泌機能が安定するため少なくなります。

たまごの賞味期限表示とは?
 平成11年11月1日から食品衛生法により、たまごのパック等への賞味期限表示が義務付けられることになりました。
 この表示は、あくまで生食として食べられる期間を示しています。賞味期限の過ぎたものでも、加熱調理(75℃で1分以上または同等の加熱)をすれば食べることができます。たまごのラベル等への表示項目としては、この賞味期限のほかに農林水産省規格のサイズ(L、Mなど)、卵重(1個あたりの重さ)、卵重計量責任者、包装場所、保存方法などがあります。
 保存方法には、「お買い上げ後は冷蔵庫(10℃以下)で保存して下さい」というように、必ず10℃以下で保存することを明示します。また、使用方法には、「生食の場合は賞味期限内に使用し、賞味期限後は充分加熱調理して下さい」というように、賞味期限後は、充分に加熱調理して食べることを明示する必要があります。
 ですから、中には産卵日などの表示をした物もありますが、賞味期限を目安にお買い上げいただくことをお奨めします。

無選別のたまごや無洗卵のたまごって安心?
 最近GPセンターで処理しない放し飼いたまごなどが流通していますが、殻に付着した鶏のフンや細菌など衛生的な問題を含めますと安心できるとはいえません。もし食べる場合はよく洗って早めに食べ、保存する場合などは冷蔵庫に入れる前によく洗った方がよいでしょう。

GPセンターってなに?
 卵を洗うことによって殻の汚れや細菌をおとし、ヒビが入った卵などをチェックし、1個1個の卵の重量を量り、サイズごとに選別し卵を殺菌したり、日付を入れたパック卵などを包装をする施設です。
 GPセンターとはグレーディング(規格付けし)・パッキング(包装する)センターの略名です。GPセンターの設置により一括処理が可能となり、より早く卵が届けられる体制を作り上げています。
当社GPシステムはこちらからご覧頂けます。

たまごにはコレステロールが多いと言いますが、本当?
 卵がコレステロールの元凶だといわれるようになったのは約90年前。1913年ロシアでの実験(ウサギ)がきっかけでした。
 コレステロールが人間に与える影響を調べる為に栄養価の高い卵を使用し、コレステロールに反応しやすい草食動物のウサギで実験した結果、血中コレステロールが増加し動脈硬化との因果関係が証明され、卵=動脈硬化の印象がうまれた。これが、卵のコレステロールの誤解の始まりです。
 ウサギは草食動物なので、動物性の脂肪(たまご)を食べるとコレステロールは増加しやすく、人間は雑食性で、動物性の肉もたくさん食べるので、一概にコレステロールがすぐに上がるわけではありません。
 最近になりロシアのコレステロール実験は、科学者の間でも疑問視されています。
[卵のコレステロール実験]
 日本でも18年前(1981年)に興味深い研究が発表されました。1日5〜10個の卵を5日間食べ続けるという実験を行い、被験者の血中コレステロールを調べたところ、増加することはありませんでした。90年前の実験が定説になってしまい、たまごに対して大きな誤解をし続けていたのではないでしょうか。